27. 医療業界で取り組むべき業務改善方法とは

医療業界の現場では、技術の発達に伴いこれまで専門分野に特化されてきました。
例えばこれまで外科や内科でしか区分していなかったものが、心臓や消化器、呼吸器など臓器別に分けている病院があります。
その分、難しい症状に対応できるようになってきていますが、その反面で医師・看護師が診られる領域は狭くなってきているのです。
高齢者は複数の症状を併発することが多く、心臓や肝臓、胃の不調を訴えれば患者1人に対し、複数の医師・看護師が必要になります。
これによって看護師不足を生んでしまっているのですが、医療現場における業務改善はどんなことが求められるのでしょうか?

業務改善のための「タスクシフティング」

医療現場では看護師の負担を軽減させるために「タスクシフティング」という組織的な業務改善が行われています。
各診療科に専属のメディカルスタッフが在籍し、勤務管理や入院台帳、カルテの情報整理などを担当します。
中には病院に医療秘書を置き、診断書や入院手続きに必要な書類を作成してもらっている事例もあります。
タスクシフティングは、医療制度を改善するための大きなターニングポイントとなりましたが、何を目的に行っているのか不明確な部分が残っているようです。

医療現場の業務内容を見直す

病院で最も負担の多い外来看護においては、タスクシフティングだけでは全ての業務を担いきれない現状が続いています。
外来看護の仕事は、受診した患者の状況でその都度対応していくことが求められるので、医師や他職種との連携も必要です。
患者との看護相談で精神的なケアも求められるので、非常に負担が重くのしかかってくることでしょう。
以下の業務改善は、今後も病院で働く看護師に必要な対策です。

ITの活用

最近の医療現場では、ITを導入し看護業務を少量化するためにITを活用しているところがほとんどです。
患者のカルテには電子カルテを導入し、各医療チームで誰でも閲覧できるためリアルタイムで情報を共有できるようになります。
また、手書きによる読みにくさが解消されるので、医療判断ミスや内容確認のための大幅な時間ロスも削減できるでしょう。
これによって、医師や看護師の業務量がかなり軽減できます。

労働時間の見直し

看護師の仕事は勤務状況が特殊のため、労働時間が超過することも珍しくありません。
外来看護の場合は診療時間が決まっているため、比較的決まった業務は時間内で完了させることができます。
しかし、入院病棟に勤務する看護師の場合は、日勤・夜勤の交替制あるいは日勤・準夜勤・深夜勤の3交替制で働くことになり、精神的にも肉体的にも負担がかかってしまいます。
引き継ぎなどの業務で労働時間を超過することも多く、中には帰宅せずに仮眠室で過ごすといった看護師もいるようです。
そのため医療現場の業務では外科の当直後は半休になる、会議は時間内に終わるようにするなどの見直しが行われています。
病院内で残業時間の目標設定や到達率などを公表するなどの業務改善も推進されています。

業務の見直しを会議等で定期的に行う

医療現場は、一般のビジネスと違い日々患者を中心としたサイクルで業務が遂行していきます。
問題点が浮上する場面が多く、計画通りに作業が進まないこともあるでしょう。
そのためには、繰り返し業務内容や手順を見直す必要があります。
定期的に会議や打ち合わせを行い、改善策を提案します。
そして、業務改善策の通りに業務をしてからどのくらい無駄が省かれ業務が楽になったかをチェックしていくのです。

医療現場は会社の利益というよりも、患者を救うための業務が優先されます。
だからこそ、医療現場で働く医師や看護師の負担を減らす業務改善が強く求められるのです。
今後、人口減少によって医療現場の人員確保が難しくなるからこそ、上記のような改善策が必要になってくるでしょう。

投稿日:2019年11月18日

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