情報漏洩とはなにか? 原因やリスク、対策方法を徹底解説

最終更新日:2024年6月7日

情報漏洩は、企業の評判を損ない、顧客が競合他社へ流出するきっかけにもなります。また情報漏洩による法律的罰則が科される可能性もあるため、情報管理の徹底や従業員の教育、セキュリティ対策の強化など、包括的なアプローチが必要です。本記事では、情報漏洩の概要から原因やリスク、対策方法までをしっかりと解説します。

情報漏洩とは?

情報漏洩とは?

情報漏洩とは、企業や組織が守るべき機密情報や個人情報、顧客情報などが外部に漏れてしまうことを指します。これらの情報が外部に漏れると大きな被害をもたらす可能性があるため、適切な管理が必要です。
情報漏洩の原因は多岐にわたります。日常的なミス、例えばパソコンの置き忘れやメールの誤送信から、サイバー攻撃や不正アクセスによる情報窃取まで、さまざまな形で発生する可能性があります。
情報漏洩の影響は組織にとって深刻です。企業の信頼失墜、顧客の流出、取引先との関係悪化、さらには法的な罰則を受けるリスクも含まれます。そのため、情報漏洩を防止するための対策を講じることは、組織の存続と成長にとって不可欠な要素といえます。

情報漏洩と情報流出の違い

情報漏洩と情報流出は、どちらも情報が外部に漏れてしまうことを指す言葉ですが、厳密には違いがあります。
情報漏洩は、特に機密性の高い情報や個人情報が漏れてしまうことを指すことが多いです。例えば、企業の営業秘密が漏洩した場合、それは情報漏洩と表現されます。
一方で情報流出は情報に限らず、技術や人材などさまざまなものが外部に漏れてしまうことを指す傾向にあります。例えば技術者が退職した際に、その技術者が持つ技術情報が他社に流出した場合、それは情報流出と表現されることもあります。
しかし、実際のところこの2つの言葉の使い分けは曖昧であり、同じ意味で使われるケースも多いです。

個人情報漏洩の罰則

個人情報の漏洩が発生した場合、企業は法的な罰則を受ける可能性があります。具体的な罰則は以下の通りです。

  • 個人情報保護法違反:個人情報保護法に違反した場合は1億円以下の罰金が科される
  • 国からの命令に従わなかった場合:個人情報保護委員会からの命令に従わなかった場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される
  • 虚偽の報告をした場合:報告内容を偽装し虚偽の報告をした場合、50万円以下の罰金が科される
  • 個人情報データベースを不適切に扱った場合:個人情報データベースを企業の従業員や役員が利益を得るために不正に扱った場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される

navigate_next参考:e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」

これらの罰則は個人情報漏洩の重大性と、個人情報の適切な管理の重要性を示しています。企業には情報管理の体制を整え、従業員教育を行った上で適切なセキュリティ対策を講じるなど、情報漏洩リスクを防ぐ努力が求められます。また万が一情報漏洩が発生した場合には、速やかに関係者に報告し、適切な対応を取る必要があるでしょう。

情報漏洩の主な原因

情報漏洩の原因は多岐にわたりますが、大きく3つに分類できます。起こり得る原因を理解し、適切な対策を講じることで、情報漏洩のリスク低減につながるでしょう。次に、は情報漏洩の主な原因について解説します。

過失による流出

過失による流出とは、従業員のヒューマンエラーにより情報が不意に外部に漏れるケースのことです。一般的に起こりやすいと考えられるケースとして、メールの誤送信や書類の置き忘れが挙げられます。またデータの不適切な廃棄(重要書類を普通のゴミ箱に捨てるなど)や、セキュリティが不十分な公共のWi-Fiを使用した機密情報の取り扱いなども、過失による流出につながる可能性があります。

故意的な漏洩

故意的な漏洩とは、内部の関係者が意図的に情報を外部に漏らすケースを指します。これには、不満を抱く従業員による情報持ち出し、退職者や離職者による情報不正取得などが含まれます。

サイバー攻撃

サイバー攻撃による情報漏洩とは、外部の攻撃者が不正アクセスやマルウェアを使用して情報を盗み出すケースを指します。サイバー攻撃は、企業の信頼失墜や重要なデータの損失に直結するため、特に警戒が必要です。

情報漏洩の影響

情報漏洩は、企業にとって重大な問題です。情報漏洩が起こると、企業には以下のような悪影響が及ぶおそれがあります。

  • 金銭的損失
  • 信頼の失墜
  • 業務の停止
  • 機会損失
  • 情報の悪用

一つずつ詳しく解説します。

金銭的損失

情報漏洩が発生すると、被害を受けた個人・企業への損害賠償や罰金の支払いなどが発生し、金銭的な損失が生じることがあります。

信頼の失墜

情報漏洩の発生は、企業の評判や市場における信用を著しく低下させる恐れがあります。顧客やビジネスパートナーからの信頼が失われることで、新規顧客の獲得が困難になるだけでなく、既存の顧客も離れていく可能性があります。

業務の停止

情報漏洩が発生すると、対応に追われるために通常業務が滞る可能性があり、最悪の場合には、全ての業務が停止することも考えられます。

機会損失

情報漏洩によって、企業は重要なビジネスチャンスを逃すこともあり得るでしょう。信頼喪失によって新しい契約や取引機会が減少するだけでなく、社内のリソースが漏洩対応に集中することで、新しい事業機会の探求やイノベーションの実施が困難になることも考えられます。

情報の悪用

情報漏洩が発生すると、不正な目的を持つ第三者に情報を悪用される可能性もあります。例えば、顧客の氏名・住所・電話番号など個人を特定できるような情報が漏洩した場合、なりすましや勧誘などに悪用される恐れがあります。

情報漏洩の事例

ここで、情報漏洩の事例を3つ紹介します。

某大手通信会社の情報漏洩

1つ目は、ある大手通信会社のケースです。自社のインターネット接続サービスのユーザー約596万件の個人情報が流出した可能性があるとのことで、問題となりました。事件発覚の当初は業務委託先のパソコンで発生したトラブルが原因であるとされていましたが、その後の内部調査により、業務委託先の元派遣社員がユーザーの個人情報を含む業務情報を不正に外部に持ち出していたことが判明。該当の情報には、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、クレジットカード番号など、個人を特定できるさまざまなデータが含まれていたとのことです。

navigate_next参考:NTT docomo「ドコモからのお知らせ」

某大学の情報漏洩

2つ目の事例として、ある日本の大学では、同大学が運用している教育研究システムがサイバー攻撃を受けるという事件が発生しました。この攻撃により、大学に所属する職員などのメールアドレス3万6,692件が外部に流出した可能性があるとのことです。流出したメールアドレスは、大学職員などの連絡先として使用されていたため、なりすましや不正な勧誘などに悪用されるリスクが懸念されています。

navigate_next参考:明治大学「本学サーバーへの不正アクセスによる被害および個人情報漏洩の可能性について」

某大手生命保険会社の情報漏洩

3つ目にご紹介するケースは、ある大手生命保険会社による、保険契約者132万3,468人の個人情報流出です。このケースでは、同社が保険料の支払い代行業務を委託していた企業が第三者による不正アクセスを受け、情報を流出させた可能性があると発表されました。該当の情報は、保険契約者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、性別、保険契約内容など。同社は影響を受けた保険契約者に対して、補償金の支払いなどの対応を行っているとのことです。

navigate_next参考:アフラック生命保険株式会社「個人情報流出に関するお詫びとお知らせ」

情報漏洩の対策方法

情報漏洩対策は、企業の信頼性とビジネスの継続性を保つために重要です。企業は以下のような具体的な対策を講じることで、情報漏洩のリスクを低減できます。

  • ガイドラインの策定と徹底
  • 情報の持ち出しを禁止する
  • 権限の適切な管理
  • セキュリティソフトの導入と更新
  • 私物の機器の持ち込みを禁止する

これらの対策を適切に組み合わせれば、より高い効果が期待できるでしょう。それぞれの詳細は以下の通りです。

ガイドラインの策定と徹底

情報管理に関するガイドラインの策定と徹底は、情報漏洩防止の基本です。これには、データの分類や取り扱い方法、保存期間、廃棄方法などを含める必要があります。またガイドラインは定期的に見直しを行い、新たな脅威やビジネスの変化に対応できるよう、定期的に更新することが重要です。社員に対しては、定期的な研修を通じてガイドラインの理解を深め、遵守を促すことが求められます。

情報の持ち出しを禁止する

社内情報の持ち出しを禁止することは、リスクの最小限化のために効果的です。例外的な持ち出しには、承認プロセスを設け、その記録を残すことが重要です。また、持ち出し可能なデータには暗号化などのセキュリティ対策を施し、データの保護を図るべきです。

権限の適切な管理

権限管理は、情報の不正利用を防ぐために必須です。これには、役職や職務に応じたアクセス権限の設定、不要になった権限の迅速な剥奪、権限の使用状況の監視、ログの保持が含まれます。権限の監視を通じて、不正アクセスや不適切な情報利用の早期発見を目指します。

セキュリティソフトの導入と更新

セキュリティソフトの導入と更新は、外部の脅威から企業のネットワークを保護するために重要です。これには、ウイルス対策ソフト、ファイアウォール、侵入検知システムなどが含まれます。ソフトウェアは常に最新の状態に保ち、新しい脅威に対応できるようにする必要があります。

私物の機器の持ち込みを禁止する

私物の機器の持ち込み禁止は、外部からの脅威を低減させます。特にUSBメモリなどのデータの持ち運びに使用されるデバイスには、厳しい制限が必要です。また社内で使用する機器に関しても、定期的なセキュリティチェックを行い、セキュリティの維持を徹底します。

【まとめ】情報漏洩への対策を徹底し、リスクを回避しましょう

情報漏洩は企業にとって重大な問題であり、適切な対策が必要です。情報漏洩の原因を理解した上で適切な対策を講じることで、情報漏洩のリスクを軽減し、企業の信頼性を守ることができます。
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この記事を書いた人

株式会社ラネクシー MylogStar担当者

20年以上にわたりログと向き合い、活用方法を模索し続けているMylogStarの製品担当。
新たな活用方法はないかどうか最新のトレンドにアンテナを張り、皆さまに役立つ情報をお届けします!