MylogStarのログ管理とMicrosoft 365 A5で実現
相互補完で無駄のない、ちょうどいいセキュリティ対策
導入先 | 三木市教育委員会 |
所在地 | 兵庫県三木市上の丸町10-30 |
学校数 |
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文部科学省のガイドラインに従い、クラウド化やゼロトラストを前提に校務システムの見直しを進めている三木市教育委員会は、最先端の教育 ICT 環境を構成するサービスの一つとして約550台の校務用PCの更新に合わせ、ログ管理ツールの導入を検討。
利用中の教育機関向けクラウドサービスであるMicrosoft 365Education A5と機能の相互補完が可能で、低コストに運用できるMylogStarの採用を決定した。
これにより、無駄のないちょうどいいセキュリティ対策を実現。
インシデント発生時の調査が可能になるだけでなく、誤操作の原因究明や再発防止にも役立っている。
なお、本プロジェクトのシステム環境設計と構築・運用及び事業全体のプロジェクトマネジメントの受託は、株式会社内田洋行が行った。
使用製品:MylogStar Cloud │ 対象端末:校務用PC │ 導入台数:577台
三木市教育委員会様の導入前の課題と導入後の効果
導入前の課題
校務用PCの更新に合わせ、文部科学省のガイドラインに従い、各種の校務システムをクラウド化したい。その一環としてPC操作ログ管理ツールを導入したい。
導入後の効果
PC操作ログ管理の機能に特化したMylogStarの導入により、教育期間向けクラウドサービスと相互補完的な利用が可能に。インシデント発生時だけでなく、誤操作の原因究明などにも活用できる。
学校教育におけるICT活用が進んだことで端末の整備・運用の重要度も増す
教育振興部 教育センター 所長
計倉 康和 氏
古い歴史と自然に恵まれ、約400年の歴史を持つ三木金物、酒米の山田錦の生産地としても知られる兵庫県・三木市。
同市は子どもたちの教育にも熱心であり、「豊かな学びで未来を拓く」という基本理念のもと、教育の振興に向けてさまざまな施策を実施している。
同市の教育委員会に所属し、教職員や教育関係者の指導力向上や、教育上の諸問題の解決を推進するとともに、生涯学習の観点から広く市民に開かれた事業を展開しているのが三木市立教育センターである。
同センター 所長の計倉康和氏は、その役割について「われわれの主な業務は教職員の研修や保護者からの教育相談などですが、近年は学校教育におけるICT活用が進んだことで、教職員や子どもたちが使う端末の整備・運用なども加わりました。特に、2020年から文部科学省が推進するGIGAスクール構想がスタートしたことで、児童や生徒が一人一台GIGA端末を利用するようになり、これらの業務は重要度を増しています」と説明する。
校務用PCの更新に合わせログ管理ツールの導入を検討
ログに特化し低コストなMylogStarを採用
教育振興部 教育センター 所長補佐 兼 指導主事
武田 庸助 氏
さて三木市では、同市の学校の教職員が成績処理や学校事務などに使っている校務用PC(約550台)の更新が2024年秋に迫っていた。
ちょうどこのころ、三木市立教育センターでは文部科学省のガイドラインに従って校務用の各種システムのクラウド化を進めており、IT資産管理についても更新に合わせてクラウドへの移行を検討することになったのだが、既存のIT資産管理ツールは別に利用中の教育機関向けクラウドサービスである「Microsoft 365 Education A5(Microsoft 365 A5)」と多くの機能が重複しているという問題があった。
同センターにおいて、情報システムの整備・運用を担当している所長補佐 兼 指導主事の武田庸助氏は「文部科学省のガイドラインでは、システムのクラウド化とゼ
ロトラストを前提としたセキュリティ環境の構築を推奨しているため、必要最低限のソフトウェアを除きクラウドへ移行することにしたのですが、既存のIT資産管理ツールは機能が豊富なだけに高価で、しかもMicrosoft 365 A5と重複する機能が多く、導入には無駄が多かったのです。そこで、PC操作ログ管理に特化したツールを探すことにしました」と語る。
同センターは複数の製品について比較・検討。プロジェクトのシステム環境設計と全体的なプロジェクトマネジメントは、株式会社内田洋行が行った。
結果、以下の3点を評価し同市と内田洋行は、三木市の教育ICT基盤においてラネクシーのクラウド型PC操作ログ管理ツール「MylogStar」の採用を決定した。
- ログの管理に特化しており、Microsoft 365 A5など併用予定のツールと機能が重複しない
- 低コストで導入でき、投資に見合った効果が期待できる
- クラウド上でセキュアに運用でき、ログのチェックも容易
武田氏は「デモを見せてもらったのですが、フォルダの操作やファイルの削除における細かなログまで取得できることがわかり、このツールならインシデントの発生時も原因究明に役立つだろうと思いました。また、既存のI T資産管理ツールと比べて大幅に安かったのもポイントでしたね。近年はPCも高額になっていますから、なんらかのかたちでコストを調整する必要がありましたので、低コストで運用可能なことは大きな魅力でした」と語る。
導入後すぐにファイル喪失の原因究明に活躍
誤操作の再発防止にも役立てる
2024年9月、内田洋行が構築する新たな三木市の校務PC・ゼロトラストセキュリティの教育ICT基盤で活用するための約550台のPCが納品された。
運用が始まってから1カ月もたたないうちにMylogStarが活躍することになった。
というのも、ある学校からファイルサーバー上に保存されているはずのファイルが消えてしまい、困っているという連絡が入ったのである。
サーバーの過去のバックアップを調べてみたところ、確かにある時点で当該ファイルが削除されており、復元することで事なきをえた。
しかし、原因を究明して対策を施さなければ、再び同じような事象が起こってしまう可能性がある。
そこで、バックアップの履歴からファイルが削除された時期を特定し、誰がどのような操作を行ったのかをMylogStarで確認。
ファイルが誤って削除された流れを調べ原因を究明できた。
その結果を学校側から誤操作した本人に伝えるだけでなく、誤操作が発生しやすい状況を各校の教職員に共有し、再発防止に役立てている。
「もともとMylogStarは、情報漏洩などのインシデントやマルウェアによる被害が発生したときに、原因を究明するために導入したのですが、思わぬかたちで役に立ちました。当時は導入直後で、まだ具体的な操作方法についてレクチャーを受けていなかったのですが、操作画面が見やすく、検索の絞り込みもどのようにやればよいか一目でわかったので、うまく対応できました」(武田氏)
子どもたちが安心して利用できるICT環境を提供するため
MylogStarを積極的に活用していく
三木市立教育センターでは、Microsoft 365 A5のセキュリティ機能と、MylogStarのログ管理機能の組み合わせにより、基本的なセキュリティ対策はほぼ実現できたと考えている。
「もちろんこれで万全ということではありませんが、Microsoft 365 A5には、ゼロトラストの観点から包括的なセキュリティ機能が搭載されていていますし、侵入前のウイルスに対する防御、侵入後の被害の拡大防止が可能です。ここにMylogStarのPC操作ログ管理機能が加わったことで、何かあったときでも原因を究明できるので安心です。そういう意味では、Microsoft 365 A5の足りない部分を補完できたので、かゆいところに手が届いたという印象です」(武田氏)
三木市教育委員会は、当初からGIGA端末の自宅への持ち帰りを認めるなど、教育におけるICTの活用に積極的で、2021年度には公立学校情報化ランキングにおいて県下2位にランクインした実績もある。
それだけに、子どもたちが安心してICTを活用し、学びを楽しめる環境づくりが重要だと考えている。
「この先、万が一情報漏洩などのインシデントが発生してしまうと、子どもたちの学びをICTの活用によって支援してきたこれまでの努力が水の泡になりかねません。今後とも子どもたちが安心して利用できるICT環境を守っていく"おまもり"としてMylogStarを活用していくつもりです」(計倉氏)
株式会社内田洋行
教育ICT 事業部
廣瀨 憲人 氏
内田洋行は長年にわたって三木市様のICT環境構築を支援しております。このたびの三木市様の教育ICT基盤で連携するサービスとして、さまざまなログ管理システムを検討した結果、ラネクシー社のMylogStarCloudはセキュリティと効率性の面で優れた機能を提供しており、三木市様の要望にしっかりと応えることができると判断、選定をいたしました。
クラウドベースのログ管理システムは、導入の手軽さやコスト面でも大きなメリットがありますし、情報漏洩対策や働き方改革にも役立つと考えています。
内田洋行は、三木市様のNEXT GIGA の推進において、今後も児童生徒や教職員がより安心安全に利用できる教育ICT環境の整備を支援し続けてまいります。
詳細資料
ご担当者様のインタビュー取材記事を掲載したPDFをダウンロードしていただけます。
お客様概要
- 所在地:兵庫県三木市上の丸町10-30
- 学校数:小学校13校、中学校6校、特別支援学校1校
- URL:https://www.city.miki.lg.jp/life/2/18/61/